歯列咬合について 2|北九州市八幡西区の歯医者
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ブログ 2024年05月20日
今回からは、歯列咬合の不整の原因のうち後天的な要因についてお話します。
B. 後天的な要因
後天的な要因としては、因果関係のはっきりしない原因不明なものと因果関係がある程度
推測できるものがあります。
1.原因不明のもの(一部先天的なものを含む)
原因がわからないので問題が判明してから対処をすることになります。
一部先天的なものもありますが、先天性の病気と違い誕生時には考慮することができない
という意味で後天的な要因に分類しているものもあります。
a) 乳歯や永久歯の数が足りない
乳歯や永久歯の歯の数が最初から足りない場合があります。このことを先天性欠損といいます。
そのような場合、数が足りないことによる歯列咬合のズレを生じるだけでなく、顎の発育に
問題が生じることもあります。
歯と歯がくっついた状態で1本の歯を形作る、結合歯や癒合歯などもこの範疇に入ります。
先天性欠損の場合、早期に発見することにより、経過観察を含めた将来をみすえた治療方針を
親御さんと歯科医師の2人3脚で治療をすすめていくことで問題を小さくすることが可能です。
<右下の第2小臼歯が先天性欠損になっている症例>
永久歯の先天性欠損のため乳歯が残っている状態。
永久歯と乳歯の大きさがかなり異なるので咬合がずれて
しまうことが多い。
b) 永久歯のでてくる方向が悪い、出てこない
永久歯がでてくる位置が前後的にズレていたり、舌側や頬側にズレることがあります。
乳歯の歯根の溶け方に問題があってそうなる場合や、永久歯の卵(歯胚)が最初から
ずれていることが原因の場合もあります。
最初はずれていても成長と歯の萌出により自然に治る場合もありますが、ずれたままの
位置で定着してしまい歯列咬合に影響を与えることも多いです。
また、永久歯の卵の位置が正しくても出てくる方向がずれている場合などは、乳歯との
交換がうまくできなかったり、永久歯が出てこない場合もあります。
いずれの場合もレントゲンで判明することが多いので、定期的に歯科に来院することで対応が
可能と考えられます。
<上の中切歯2本が捻じれてしまっている症例>
上の中切歯(真ん前歯)が手を合わせたように捻じれてしまい横姿が
写っている状態。
このままだと乳歯との交換にも支障をきたす可能性やもっと悪い状態に
なる可能性がある。
<左上第2小臼歯が出てきていない症例>
乳歯との交換がうまくいかなかったか、永久歯の方向が
悪かったのかは不明だが永久歯が萌出していない状態。
矯正などが必要な場合も多い。
「歯列咬合について 3」 へ続く