お口のはなし ー虫歯についてー 虫歯菌編2|北九州市八幡西区の歯医者
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ブログ 2016年10月22日
今回も「虫歯」についてのお話をさせていただこうと思います。
前回は虫歯菌の感染という観点からのお話でしたが、今回は「虫歯菌の定着」の観点から
お話させていただきます。
前回のお話はおおまかに言うと
・虫歯菌は周囲の人、特に親御さんや兄弟、姉妹などのお口からうつってしまう。
・虫歯菌の割合は3歳までには決定し、その後はほとんど変化しない。
ということでした。
では、うつってしまった虫歯菌はどこに「住み着く」のでしょう。
お口の中には約400種類もの細菌がいますが、細菌にはそれぞれ好みの定着場所があります。
お口の粘膜の上であったり、歯周ポケットであったり様々ありますが、虫歯菌の好みの場所は
お口の中で硬い場所、すなわち歯なんです。
虫歯菌のうち大ボスともいえるミュータンス菌は、砂糖を分解してグルカンというネバネバの
ノリを作って、そのネバネバを使って歯の表面に定着するのです。
ネバネバの中で虫歯菌やその他の細菌が共同生活をしだすと、歯垢(プラーク)という集落を
作ります。そしてそのままにしてると、歯垢は熟成しバイオフィルムというヌメヌメした状態
になり、「唾液」の持っている「虫歯に抵抗する力」が作用しにくくなります。
余談ですが、バイオフィルムの中では色々な細菌同士が互いに情報伝達しながら生活している
と考えられています。細菌同士がコミュニケーションをとるなんてビックリでしょ。
この歯垢のなかで細菌が酸を作り、それによって歯が溶かされることで虫歯となるのですが、
デコボコの多い奥歯のかみ合わせは特に歯垢が作られやすい環境といえます。
乳歯の奥歯は1歳半くらいから出てきて、また、出てくるときには歯茎を破りながら出てくる
ため十分な歯磨きがなかなかできません。さあ、困ったぞ。
はい。そこで歯科医院の出番です。
歯科医院では様々な方法でこの歯垢を少なくしたり定着を阻止したりできるのです。
また、歯の一部が酸によって溶けている場合などその部位の歯の状態を改善することにより
虫歯菌の定着の可能性を少しでも下げることは可能です。
当然100%の阻止は不可能ではありますが、一番重要な時期に、少しでも定着を阻止することは
虫歯菌の割合を減らすという意味では十分な意味ある行為と考えます。
わが北九州市では、1歳半検診に歯科受診の項目がありますので、是非!是非!ご利用ください。
次回は、私の趣味のお話にさせていただきます。
お口のはなしは、次回は「フッ素」について書きたいと思います。
(わかりやすく解説するため、一部に学術的に不確定な部分がありますことをご了承ください。
また、研究者のなかでも意見の分かれる部分では私が正しいと考えたほうの意見を参考にしています。)
北九州市八幡西区 しみずファミリー歯科 清水敏博