お口のはなし -虫歯についてー 補足・意見など3 |北九州市八幡西区の歯医者
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ブログ 2017年02月14日
今回も前回に引き、今までのブログ「-虫歯について-」で書いたことについて、疑問や他の意見について
Q&Aの形式で少し補完していきたいと思います。
今回はキシリトールの話が中心です。
Q.キシリトールって代用甘味料のなかでは安全なの?
A.私は正しいと思います。
キシリトールは糖アルコールという分類の代用甘味料ですが、その原材料は白樺やトウモロコシの芯
といった天然素材で、それらから抽出した多糖類を原料にし化学反応を起こさせ作られています。
天然素材だから安全、人工的に作られているから危険、という考え方ならばキシリトールも危険となって
しまいますが、前回で述べたように、「人工的なものはすべて危険」という考え方は私は賛同できません。
ただし、市場に流通しているキシリトールの原材料はトウモロコシで、そのトウモロコシの出生について
異議や危険性を唱える方もいることは事実です。
Q.キシリトールはミュータンス菌を殺菌するの?
A.一部は本当ですが、実際的には不明です。
キシリトールはミュータンス菌に取り込まれると、エネルギーを生産するしくみに働きかけ、エネルギーを
生産どころか浪費させてしまいます。すなわち、菌の活動エネルギーを減らすのです。その結果、菌は
食べても食べても栄養にならず死んでしまう、という理論です。
しかし別の研究によると、この作用が働かないミュータンス菌も多くあることがわかったのです。
キシリトールを継続的に食べることにより、作用の働くミュータンス菌は減りますが、作用の働かない
ミュータン菌が増えていくのです。これら作用の働かないミュータンス菌は無害なミュータンス菌だ、
という意見もあるみたいですが、それには根拠となる論文が不足しているようです。
Q.キシリトールは虫歯を元にもどしてくれるの?
A.いいえ。
キシリトールにはそのような効果はありません。「噛む」という行為により、だ液の分泌が促進され
そのだ液の効果により虫歯(脱灰)が元に戻るのです。
Q.キシリトールを使うと虫歯が減るって本当?
A.一部本当です。
キシリトールを虫歯予防に積極的に使った国として有名なフィンランドでのお話です。この国は1970年頃
国民一人当たりの虫歯の数は日本よりずっと多かったのです。そのため国策として虫歯を減らすために
キシリトールを利用しました。その結果、今では世界でも有数の虫歯がない国となったのです。
しかし、フィンランドでは(その当時)、ほぼ全ての食品にキシリトールを使い、砂糖の量をかなり減らした
という事実があります。また、当時はフッ素の利用や間食のとり方の教育なども同時に行っています。
すなわち、砂糖の量を減らし食事習慣の改善、そしてフッ素まで行っての結果、虫歯が減ったといえるのです。
(わかりやすく解説するため、一部に学術的に不確定な部分がありますことをご了承ください。
また、研究者のなかでも意見の分かれる部分では私が正しいと考えたほうの意見を参考にしています。)
北九州市八幡西区 しみずファミリー歯科 清水敏博