お口のはなし -虫歯についてー 食べ物編2|北九州市八幡西区の歯医者
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ブログ 2016年12月19日
今回のテーマも引き続き「食べ物」についてです。
前回は、
・お口の中では絶えず「脱灰」と「再石灰化」を繰り返している。
・お口の中が脱灰の方に傾くことが多くなってしまうと「虫歯」になる。
・「虫歯菌」は食物の中に含まれる「糖質」から「酸」を産生し脱灰を引き起こす。
・食後しばらくたつと、だ液の作用により歯の表面で「再石灰化」がおきる。
ということをお話させていただきました。
では、糖質を「まったく」摂らなければ虫歯にならないという結論になるのか。
いいえ、それは「絵に描いた餅」無理な話です。
糖質は人間の活動エネルギーの源で、また脳は「ブドウ糖」という糖質が主な栄養源なのです。
人間の脳には「血液脳関門」という関所があり、ここで脳に供給される栄養源を選別しています。
ブドウ糖という糖質はこの関所の優先入場者で脳の活動をささえているのです。
しかも人間の活動エネルギーの1/5は脳で消費されています。
これが産まれたばかりの赤ちゃんでは約半分が脳の活動に消費されているといわれています。
すなわち、糖質は生きていくうえで、なくてはならない重要な栄養素なのです。
糖質を摂らないことが難しいのならば「どのような摂り方」がいいのか。
それを考えていったほうが虫歯予防にはより現実的な方法といえます。
前回の話にあったように、糖質を摂るとお口の中は酸性になり、脱灰により歯が溶けてしまいます。
そして、お口の中のPHが「エナメル質臨界PH」よりアルカリ性に傾くと再石灰化がおきます。
溶けた歯の表面が元通りになるためには、脱灰時間の3倍の再石灰化の時間が必要といわれています。
間隔をあけないで何度も糖質を摂取すると、歯の表面が元通りに戻る時間が足りなくなってしまい
脱灰がすすんでしまい、これがやがて虫歯になってしまうのです。
実際、大人の方でよく虫歯ができてしまう方へお話を聞いてみると「よくアメやガムを口に入れている」
や「よくジュースやコーヒーなどを飲んでいる」と言われる方がかなりの数います。
また「同量の糖質をとるならば、何回にも分けてとるより一度にとる方が虫歯にならない」ということは
歯科医師医の試験にも出るほどの「当たり前」のことなのです。
では、お子さんの場合ではどうでしょう。
お子さんは体重あたりで考えた場合、大人より基礎代謝という一般的な活動に必要なエネルギーも多く、
そして成長のためのエネルギーや栄養素も必要となります。
また前述したように、お子さんの脳が消費するエネルギーの割合は大人の場合より大きいです。
それらを補うためにはより多くの食物を食べる必要がでてきます。
お子さんは消化器官が未発達で栄養の吸収効率も悪いこともあり、食事の回数を増やす必要があるのです。
すなわち、エネルギーや栄養素の補充のためには「おやつ」は必要なものなのです。
ただ、ここでいう「おやつ」は大人がいうおやつではなく「食事の一環」としてのものなのです。
おやつの与え方としては、1歳すぎくらいの幼児では朝食と昼食の間に1回と昼食と夕食の間に
1回に少ない量を、 活動が活発になってくる3歳すぎの幼児では先ほどと同じ1日2回または
昼食と夕食の間に1回を、1回当たりに それなりの量を与えるのがいいでしょう。
この時重要になってくるのが時間の考え方で
1.食事とおやつまでの時間は2時間はあけておく
2.だらだら食べずに時間を決めて食べる(20分以内が目安といわれています)
3.夕食後のおやつは通常では必要ない
ということです。
では次回はおやつの内容について、糖の種類のことを考えながらお話させていただきます。
(わかりやすく解説するため、一部に学術的に不確定な部分がありますことをご了承ください。
また、研究者のなかでも意見の分かれる部分では私が正しいと考えたほうの意見を参考にしています。)
北九州市八幡西区 しみずファミリー歯科 清水敏博